この人の文章が好き!って言うけど、本当に読み分けできる?

ぶっちゃけ私にはできない。と、思う。

前回のエントリーで書いた「10年以上も救ってくれた」作品を書いた方の文章ですら、読み分けできないと思う。

時間が経っているのもあるけれど。

そんなの本当にその人が好きじゃないからだ!って言われちゃうかな。

でも文章って相当個性的じゃないと、年数の経った絵より見分けつかないと思うんだ。

絵だって似せて描くのが上手い方が真似して描いたものと、本人のもの、見分けるのはなかなか難しいと思う。

 

最近私は自分の文章が「名前で」読まれてるんじゃないかと勝手にちょっと思ってる。

「この人の書くものだから、多分こんな感じでしょ」

みたいな。それはちょっと大袈裟だし、卑屈かな。

なのでちょっとばかり意地悪してみることにした。意地悪というか、試すというか。

うん、人を勝手に試すんだからやっぱり意地悪だよね。

 

いつも作品をUPするところに、違う名前で作品をUPしてみたのだ。

勿論書いたのは私自身。

最初はちょっと他の人っぽく書こうと思ってたんだけど、結局後半部分は自分の色が濃く出てしまったと思う。自分では。

でもやっぱり気付かれてない。

今の時点でまだ全然時間が経ってないから、もしかしたら今後読み分けしてくれる人が現れるかもだけど。

例のAさん狂いの彼女も勿論気付かなかったみたいで、「はじめまして」でメッセージ送ってきた。

「はじめまして」じゃないよー私はいつも貴方のAさん狂いに、作品書く気力ゴリゴリ削られてるんだよー

 

そこで思ったのだ。

彼女はいつも「Aさんの文章きれい」「Aさんの文章のここが好き」って延々と語っているけれど、もし私がAさんの文章を少しだけ真似てAさんの名前で発表したら、本当に読み分けることができるのだろうかと。

多分無理なんじゃないかな。

名前で「Aさんだ!」って刷り込まれて、私が適当に書いた文章でも「相変わらずきれいー」って言うんじゃないかなって。

根拠の無い自信があるよ。

やらないけど。

 

だからTwitterとかでたまに見かける「同じテーマとCPで、何文字くらいって決めて、名前を隠して発表したらどれくらい読み分けできるか・誰の作品か分かるか」っていうのをすごくやってみたい。やってみたことがある人に実際どうだったか聞いてみたい。

本当に、めちゃくちゃ好きでも相当癖のある文章の人じゃないと分からないと思う。

今活動しているCPに、そこまで癖のある文章書く人いないと思うよ…?

 

結局、自分を認めてもらうには沢山書かなくちゃいけないんだなって思う。できれば質の良いものを。

私にはまだまだそれが足りてなくて、ダメダメだけど。

でも自分の文章は自分がいちばん好きだって、自分だけは何があっても味方だって自負しているから。

だから今日も書けないと悩みながらパソコンに向かうのです。

 

ネガティブな話はここまで!

午後からは前向きな私になるので、運も才能も舞い込んでこーい!笑

バイブルとマイナーカプと私

私には定期的に読み返す、1冊の同人小説がある。

その方の描く世界はきらきらしているだけでなく、キャラクター達の悩みや喜びや悲しみがきちんと描かれていて、それをその方独自の洗練された言葉で綴られているのが好きで、どうしたらこんな文章が書けるのだろうと何度も何度も読み返した。

 

個人サイト最盛期の時代のものなので、どうやって彼女の小説にたどり着いたかは今では覚えていない。

けれどサイトに置いてある小説を読みつくして、その作品のひとつひとつに酔いしれていたことは覚えている。

 

ある日、その方が大阪のイベントに出るという話を聞いて、当時地方住まいだったけれど大阪ならと手紙と差し入れをもって、その方に会うためだけにインテックス大阪に足を運んだ。

そのとき生まれて初めて「(机の上の作品)全部ください」をやったし、直接感想をお伝えすることもできた。

話によく聞く「好きな人が描く(書く)ことを辞めてしまってから、感想を伝えなかったことを後悔した」という後味の悪いことも経験せず、その後もその方の創作に触れ続けることができた。

 

そのとき購入したうちの1冊が、未だに定期的に読み返す小説だ。

 

話は変わるが、私も小学生の頃から小説といえるものではないかもしれないけれど、創作をしている。

オリジナルの一次創作から始まり、高校生で二次創作にシフトチェンジして同人誌を出すようになった。

 

そして今、いわゆるマイナーカップリングで活動している。

先日「支部検索0件のCP同人誌を書いた(https://anond.hatelabo.jp/20180117182547)」のエントリーを読んで、大変感動した。

人とは本来こうあるべきなんだよなという思いと、ほんの少しだけ立場が似ているこの方が羨ましいという気持ちでいっぱいになった。

厳密に言えば私の場合はこの方よりだいぶ恵まれていて、今私が推しているカップリングの書き手は私を入れて片手ほどいる。作品も0件ではない。

ただ、紙の本を出したことがあるのが私しかいないという点ではこの方と同じだと思う。

 

他の方が書いた推しカプの話が読めるのは本当に嬉しいし有難いことだ。

けれど、少しだけ引っかかることがある。

 

そのカップリングの小説を1番最初に投稿した人ばかりがやたらと持てはやされるのだ。

 

仮にその人をAさんとしよう。

Aさんの作品は確かに魅力的だ。長編も短編も読みやすく、私も大好きだ。

一人コツコツと投稿し続けてきたから持てはやされるのも分かる。

けれど他に投稿している、例えばBさんの作品もなんら遜色がないようにも思えるのだ。

私はそのカップリングが好きだし、作品を投稿している人も少ないからなんでも読む。

AさんもBさんも他の方も、同じくらいその人の個性が出ていて好きだ。

しかし何があったのかは分からないが、Bさんはたった一つだけ投稿していたその作品を非公開にしてしまった。

 

以前イベントに出たときに、違うカップリングの人に「私、Aさんが好きで…」と言われたことがある。

その時は「私も好きですよ」と答えた。

投稿サイトをしばらく見ていなかったので、他の人の作品が増えていることに気付かなかったということもある。

 

最近になって、Aさんは私が思っている以上にそのカップリングが好きな人たちに支持されていることに気付いた。

 

一人ものすごくAさん狂いの人がいる。(私が知らないだけで他にもいるのかもしれないが)

寝ても覚めてもAさん、Aさん、Aさん、Aさん。

Aさんの作品のここが好き!Aさんがいなかったら私はこのカップリングにはまらなかった!もはや神!

Aさんさえいてくれれば…とも思える言葉の羅列。

正直、同じカップリングを書いている者としては辛い。Aさんさえ書いていれば他の人のそのカップリングは読めなくてもいいのだろうか。

そのくせ「推しカプ作品増えないかな」と言う。

そりゃAさんの作品ばかり望んでいたら他の人は書きたくなくなるよ。

もしかしたらBさんだってどこかでその言葉に触れてしまって、作品を非公開にしてしまったのかもしれない。

Aさんが好きなのは分かる。

けれど、同じカップリングを扱う人の目に触れるところで特定の人ばかり褒めるのは、他の人の創作威力を削ぐことになってしまうのではないだろうか。

私が打たれ弱いからそう思うだけだろうか。

 

そんな折、Twitterで「腐女子は鳥の赤ちゃんだから、最初に触れた性癖にささるカプを親だと勘違いして好きになる」みたいなツイートを目にした。

多分、Aさんをべた褒めしている方は、それなんだろうと思う。

 

 

今私は締切と睨めっこしながら、イベントではオンリーワンカプであるそのカップリングの原稿を書いている。

書きたい気持ちとネタはあるのに、Aさんが!Aさんさえいれば…という言葉にやる気やいろんなものをゴリゴリ削られながら、それでもなんとか自分はいつだって自分の味方だと、自分で自分を励ましながらなんとか気持ちを保っている。

多分、感想がもらえなくて筆を折ってしまう人というのは、きっとこんな感じなのだろうなと思いながら、それでも私は自分が好きだからという理由だけで自分の好きなカップリングを書く。

 

そんなとき、そういえばここ半年はあの定期的に読み返す小説を読んでなかった、と思い出して、冒頭で書いた1冊の小説を久々に読んでみた。

そしたらほんの数ページ読んだだけで、いい大人がぼろぼろ涙をこぼしてしまったのだ。

ああ、色々溜まってたんだな。

私はいつもこの小説に助けられてきたのだ。

書けない時も、辛い時も、今みたいに誰にも必要とされていないかもしれないと思った時も。

二次創作の作品なのに、その綺麗な言葉たちに、キャラクターたちのリアルな会話や心理状態に、素直に二次創作を楽しんでいた時のことを思い出していつも助けられるのだ。

 

多分、この小説の作者さんは今はもう創作をしていないと思う。

でも迷惑かもしれないし気持ち悪いかもしれないけど、またもし会うことができるなら伝えたい。

もう10年以上も貴方の作品に救われていますと。

 

なんだか支離滅裂で言いたいことだけ羅列した文章でごめん。

私にだってそれだけ好きな書き手さんがいるのだけど、今まで一度も「彼女が一番!彼女さえいればいい」って公の場で言ったことはない。

やはり他の書き手さんの気持ちを殺してしまうから。

 

だからどんなに好きな書き手(描き手さん)がいたとしても、それは本人にだけ伝えて、他の書き手さんの見えるところでは言って欲しくないなって。

とくに創作者の少ないジャンルやカップリングでは。

 

折れそうな心をなんとか保っている一人の同人女の愚痴です。

最後まで読んでくれた方、ありがとう。